和食のテーブルマナー

案外知らない和食のマナー

日本人だから和食は食べ慣れている、でも海外の方とご一緒した時、海外の方の方がよほど和食のマナーを知っているとビックリする事がありますし、同時に日本人として恥ずかしい・・と感じることもあります。
グローバル社会となり、海外の方とのお付き合いもかなり多くなっています。
また海外では空前の和食ブームとなっていますので、名のある料亭で和食、会席などを頂く海外の方も多く、マナーを知っておられる方も少なくないのです。

日本人として、和食のマナー等しっかり覚えておく必要があります。
和食のテーブルマナーも基本を知っておけば、恥をかくことも少なく安心です。

お箸の使い方

日常のしつけの中でも、箸から箸経たものを受け渡す行為「移し箸」などは、葬儀の際、故人のお骨を拾い上げする際の行動と似ていることで忌み嫌われますし、ご飯にお箸を突き立てておく「立て箸」についても、忌箸として嫌われます。
これはいずれも弔事を連想させるため、特に披露宴会場では気を付けなくてはなりません。

お箸を指のように人を指すときに利用したり、話に夢中になって箸を置かずにそのままお話するなどは浅ましいとして嫌われます。
特に見識ある年齢を重ねた人からはひどく見苦しいことにみられますので、結婚披露宴など幅広い年齢層の方がゲストとしてお越しになる席では十分注意が必要です。

お皿は持つ、お椀の蓋は裏返しにしてお椀に伏せない

平たいお皿は和食でも手に持って食べることはありません。
ただ、刺身の醤油のお皿等、知以外器などは基本的に持っていただきます。
また案外やりがちな間違いですが、食べ物を口に持っていくとき、食べ物がこぼれてもいいように手を受け皿のように添える方がいますが、これはよくありません。
悪い「食べ癖」といわれますので、会席などを頂くお席では行わないようにしましょう。

椀物は蓋をとって飲み終わるとその蓋を裏返しにしてのせる方がいます。
これは間違いで椀物を頂く際には、右手でお椀の縁をちょっと押しながら蓋をあけ、のの字を書くようにお椀の蓋をずらし、露切します。
こうする事でお椀の蓋についた水滴を落とせます。

蓋はお椀の向こう側、水滴がついていた内側を表側にしておきます。
飲み終わったら出てきたときのようにお椀を元通りにしておきます。

会席の流れ

先付から始まり、椀物、次いで刺身などお造りが出ます。
このお造りを頂く時には醤油の中にわさびをとくのではなく、刺身に少しわさびをのせて醤油を少し刺身につけていただくとスマートです。

お造りの次には煮物、これにも食器に蓋がついていたら器の向こう側に置くようにします。
煮物は箸で一口の大きさにきっていただきます。
煮物の器は持ってもいい器です。

煮物の次には焼き物です。
魚は頭が左になっていますので、左から右という一方向に食べ進めます。
小骨は箸で取り除いて皿の右の隅に寄せておきます。
上身を食べて中骨と下身の間に箸をいれ、つまみ上げてそのままひっくり返すことなくいただきます。

次に揚げ物です。
濃い味のものが後ろという盛り付けになっていますので手前、淡白な味のものから食べていきます。

揚げ物の次には酢の物がでます。
モズクのようなものが酢の物として出た場合、すくっていただいて構いませんが、箸でうまくまとめて塊にしてから頂くとスマートです。

最後に食事、つまりご飯と香の物、止め椀が出ます。
和食の上位となるご飯から頂きますが、ご飯と止め椀は交互に頂きます。
香の物をご飯にのせることはしません。

そして水菓子が出ます。

慣れないうちは緊張しますが、結婚披露宴でここまで厳しくマナーを守るという人も少ないと思いますので、忌み嫌われること、食器と箸のマナーを覚えておくといいでしょう。